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離婚問題に関するFAQ

よくある質問をまとめました

離婚にあたって、頭の中を整理する8つのポイントはご覧いただけましたか?

あくまでポイントですので、内容は理解出来たものの、ご自身のケースではどうなるのか?と疑問をお持ちの点もまだまだ沢山あると思います。具体的な相談はご来所いただいて、ということになりますが、事前に把握されたい方のために良くある質問をまとめました。

一般的な内容ではありますが、参考程度にご覧ください。

質問が多い内容 BEST5

  • 私のケースは裁判になるでしょうか?
  • 私のケースで離婚はできるでしょうか?
  • 自分が有責者側だが離婚できるでしょうか?
  • 慰謝料は受け取れるでしょうか?
  • 離婚せずに浮気相手に慰謝料請求できるでしょうか?

離婚をするには裁判をしなければならないのでしょうか?

必ずしも、裁判が必要なわけではありません。

法律上の婚姻関係を解消する=離婚をする方法としては、

①協議による離婚
②調停による離婚
③裁判による離婚

があります。審判による離婚、という方法も法律上存在しますがほぼ利用されておらず、実際には上記①から③のいずれかの方法、特に①による離婚が数としては圧倒的な多数(離婚全体の約9割)です。

①協議による離婚とは、双方が署名捺印、保証人の署名など必要事項記入の上で役所に離婚届を提出する方法、②調停による離婚とは、家庭裁判所に当事者が調停を申し立て、調停委員を交え協議の上で離婚に合意する方法、③裁判による離婚とは、当事者が離婚を求め家庭裁判所に訴えを提起し、裁判所が離婚の命じるという方法です。

通常①から③の順で話が進みますし、また原則として③の訴訟提起の前に②の調停を経ることが必要(調停前置)とされているため、訴訟に至る前に話し合いが成立することも多く、必ずしも裁判が必要というわけではありません。

法律上の離婚理由が無ければ離婚ができないのでしょうか?

Q. 離婚理由は法律で決まっていると聞きました。法律上の離婚理由が無ければ離婚ができないのでしょうか?

必ずしも離婚できないわけではありません。

離婚の理由については民法に規定されていますが、離婚するために法定された離婚理由が必要となるのは裁判による離婚の場合であり、協議、調停による離婚の場合(=相手が離婚に合意する場合)には法律上の離婚理由の有無にかかわらず離婚は成立します。

他方、相手方が協議、調停での離婚に応じない場合、裁判による離婚を求める必要がありますが、裁判での離婚は法定の離婚理由が無ければ離婚ができないことになります。

原則として離婚は夫婦の双方の合意(協議、調停)で行うもので双方の合意ができるのであれば法律上の離婚理由の有無にかかわらず離婚は可能、他方で夫婦の一方が離婚をしたくない場合には裁判が必要となり、法律上の離婚理由が無ければ離婚できない、ということになります。

性格の不一致を理由に離婚はできない?

Q. 性格の不一致を理由に離婚したいと考えていますが、配偶者が離婚を拒否しています。離婚はできないのでしょうか?

具体的な事情によっては離婚が可能な場合があります。

夫婦の一方が離婚を拒み、協議、調停を経ても合意ができない場合、裁判で離婚の判決を得るためには法律上定められた離婚理由が必要になります。

法定の離婚理由は、

①配偶者に不貞の行為があったとき
②配偶者から悪意で遺棄されたとき
③配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

の5つとされています。

このうち、⑤については一般的な条項で、夫婦の様々な事情を加味して裁判所が離婚か否かを判断することになりますが、「性格の不一致」というだけでは離婚するとの判決は通常されません。

もっとも、性格の不一致といってもその内容は夫婦毎に様々ですし、性格の不一致を理由に長期間別居している、などの場合であれば婚姻を継続し難い重大な事由がある、との判断がされることもあります。

有責配偶者からの離婚請求は認められない?

Q. 有責配偶者から離婚を求めても認められないと聞きましたたが、絶対にできないものなのでしょうか?

場合によって認められる場合があります。

まず、前提として離婚は当事者である夫婦双方の合意ができれば可能ですので、婚姻関係の破綻に有責である側から離婚を求めた場合でも、相手が離婚に応じれば離婚は成立します。多くの場合、財産分与や慰謝料等の条件面で譲歩することが必要になります。

相手がどうしても協議、調停での離婚に応じない、という場合、訴訟により裁判所が離婚との判断をするか、という段階では、有責側からの離婚請求は極めて難しいと言われています。

もっとも、有責側からの離婚請求を絶対に認めない、というものではなく、最高裁も「①夫婦の別居が年齢や同居期間に対比して相当長期間に及んでおり、②未成熟の子がいないという場合においては、③離婚によって相手方である配偶者が精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれるなど離婚を認めることが著しく社会正義に反すると言えるような特段の事情がない限り、有責配偶者であることの一事をもって離婚が許されないということはできない」として有責配偶者からの離婚請求でも事案によっては離婚を認めるとの判断をしています。

離婚の際に決めておかなくてはならないことは?

離婚の際に決めておくべき主な事項としては、①子の親権、②養育費、③子との面会、④慰謝料、⑤財産分与、⑥年金分割に関する事項です。

法律上、未成年の子の親権者以外の事項について決めておかなくとも、離婚そのものは、お互いが離婚することに合意することで可能ですし、お金の話は離婚後に決めることも可能です。

しかし、お金のことは後にして離婚だけでもと先に離婚届を出してしまうと、相手との接触を取ること自体難しくなりますし、特にお金を払う側にとっては話し合い自体に応じる動機が弱くなり、話をすることが難しくなります。

離婚の事情によっては金銭的なことについては請求をしない、ということもあり得ますが、請求を考えているのであれば離婚の際に決めておく方が良いといえます。

離婚の合意内容について、書面にしておいた方が良い?

Q. 離婚の際、受け取る養育費の額などについて定めましたたが、書面にしておいた方が良いのでしょうか?

離婚に際して合意した内容は、必ず書面化しておくべき、可能であれば公正証書を作成しておくことが望ましいです。

離婚により、夫婦は戸籍上全くの他人となり、実生活においても接点がほとんどなくなってしまうのが通常です。そのような状態で、離婚時に約束した養育費や分割払いとした慰謝料などについて、当初は支払いをしていても次第に支払いが滞ったり全く支払いをしなくなる、といったケースは少なくありません。

そのような場合、調停や裁判で取り決めた内容であればその内容をもとに強制執行をすることも可能ですが、互いの合意のみ、というだけの場合、相手が任意に支払わない場合は調停や裁判等を起こし請求をするほかありません。

その際、単なる口約束では一度取り決めをした内容であったとしても合意があったことを証明できないことになってしまいますので、必ず合意の内容は書面にして双方の署名押印をした文書を作成すべきです。

また、合意の内容を公正証書にしておくことで、裁判をした場合と同様に相手が合意を守らなかった場合に裁判を経ずに合意内容に沿って強制執行をすることが可能になります。

特に支払いを受ける立場の側からは、合意の内容を文書化し、可能であれば公正証書にしておくことが望ましいと言えるでしょう。

離婚届の取り消しはできる?

Q. 配偶者と喧嘩をし、離婚届けを渡されてしまいました。思わず記入してしまったのですが、思い返すと離婚には応じたくありません。どうすれば良いでしょうか?

離婚届の提出前であれば不受理の申し出を行うことで離婚の成立を阻止できます。

法律上、離婚届は婚姻届と同じく、離婚届の文書の作成時点だけでなく、役所への届出時点でも互いの離婚の意思があることを必要としており、離婚届の作成後に気が変わった場合等、届出時点で一方に離婚の意思が無い場合離婚とはならないはずですが、実際に役所へ離婚届を提出する場合、役所は形式的に問題がない書面(離婚届)が提出されてしまうとそれを受理せざるを得ませんので離婚成立となってしまいます。

届出時点で離婚意思が無かったことを証明できるのであれば離婚を無効とすることも厳密には可能ではありますが、実際に裁判等でそれを行うのは非常に困難であると言えます。そのため、役所に離婚届の不受理の申請をすることで、離婚届が提出された場合もそれを受け付けないとする手続きがあります。

離婚届けが提出された後に申請をしても効果がありませんので、記入済み離婚届が相手方の手元にあり、自身は離婚を希望しない、という場合は早急に手続きをする必要があります。

勝手に提出した離婚届で離婚が成立する?

Q. 配偶者と離婚したいと思い、相手の部分も含め自分で離婚届を作成し勝手に出してしまいました。役所には受理されましたが、これで問題なく離婚できるのでしょうか?

後日、離婚無効の訴訟等を起こされる可能性があります。

離婚は、届出書の作成及び提出が双方の意思に基づくことが必要とされ、作成や提出時に一方に離婚の意思が無い場合は無効とされます。無断で離婚届を作成、提出することは当然ながら相手方に離婚の意思があるとはいえませんので、後日相手から裁判を起こされ無効とされる可能性が高く、また損害賠償を求められる可能性もありますし、犯罪として刑事的にもなりかねません。

家出をしてしまった配偶者と離婚できる?

Q. 配偶者が他に好きな人ができたから離婚したいと言い出し、そのまま家を出て行方が分からなくなってしまいました。こちらとしても離婚したいと考えていますが、連絡先が分からないので離婚届も作成できません。このような場合、離婚することはできないのでしょうか?

裁判をすることで、離婚することは可能です。

離婚をする場合、協議による離婚、調停による離婚はいずれも双方の合意が必要で、相手方の離婚届への署名捺印や調停への出席がないと離婚はできないことになります。

裁判でも、本来は相手方の住所や職場に文書を送付する必要がありますが、連絡先等一切不明という場合、公示送達という手続きにより連絡先がわからない場合も裁判をすることは可能ですので、裁判による離婚は可能です。

もっとも、この手続きを用いると多くの場合相手方不在のまま裁判手続きを進めることになるため、手を尽くして相手方を探したがわからない、という場合にしか認められず、相手方親族へ確認を取ったことの報告書や、警察に捜索願を出した証明書等の行方を調査したことを証明する資料の提出が必要となります。

離婚にはどのような準備が必要?

Q. 離婚をしたいと考えていますが、相手にはまだ何も言っていません。事前にどういった準備をしておくべきでしょうか?

離婚理由となる事実や資産状況の把握をしておく必要があります。

離婚をしたいと思った場合、相手方に離婚したい旨伝えてしまうと当然相手との関係が敵対的になり、元々認めていた不貞等の事実を否定したり、資産などを隠す等されてしまう可能性がありますし、そうでなくとも別居などしてしまうと情報を得ることは著しく困難になってしまいます。

そのため、相手に対し直ちに離婚の意思を伝える前に準備を整えておく必要があります。

具体的にどのような準備が必要かについては事案によりけりではありますが、離婚理由となる事情についての証拠(不貞の証拠等)の確保、預金や株式、保険等の資産の把握は多くの場合共通して必要になります。

離婚したら必ず慰謝料は受け取れる?

Q. 離婚の場合、慰謝料は必ず受け取れるのでしょか?また、金額はどの程度受け取れるのでしょうか?

通常、離婚するというだけでは慰謝料は発生しません。

慰謝料というのは、精神的な苦痛・損害を慰謝するために支払われる金銭ですが、離婚に際して必ず支払われる、というものですが、請求のためには離婚に至ったことについて相手に責任があること、もっと言えば不法行為といえるだけの行為があって初めて請求できるものです。

配偶者の不貞により離婚する場合等は慰謝料の発生する典型的な場合ですが、離婚の原因として良く挙げられる「性格の不一致」などは多くの場合お互い様なところもあり、不法行為とまで言うことはできず、通常は法的に慰謝料が発生しません。

また、慰謝料の額についても、不法行為の内容、個別の事情によって大きく変わってきますので、一概にどの程度、ということはできません。

もちろん、協議離婚の場合など双方の合意がされれば、法的な根拠の有無にかかわらず支払をする、ということもあり得ますが、法的には慰謝料というものはあくまでも違法な行為があって初めて支払い義務が生じるものです。

メールは浮気の証拠になりえる?

Q. 配偶者のメールを見たところ、「好き」等と書かれていて、ハートマークが使われているなど、浮気をしていると思われます。このメールを証拠として慰謝料請求できるでしょうか?

上記程度の内容で「不貞」の証拠として十分とはいえません。

まず、離婚の理由や慰謝料請求の原因となる不貞行為は、配偶者と相手の間に性的な関係があることが必要です。単にキスをした、食事に行った、という程度であれば、気持ちの問題としてはともかく、法律上は不貞行為とはなりません。

そのため、慰謝料請求等する場合、相手が不貞をしていないと争った際には、不貞の証明の為には性交の確認ないし推認できる証拠が必要となりますが、上記内容では不十分といえます。

一般的にはホテルへの入場、退出の写真や不貞関係について認める内容の手紙や日記等が証拠になります。

また、配偶者本人が不貞を認める発言をしている場合、その発言を録音したり、不貞を認める内容で念書を作成し署名押印させることができれば証拠になり得ます。

当初は認めていても、後日発言を翻す、といったこともあり得ますので、認めているから大丈夫、ではなく常に証拠を残すことを意識しておいた方が良いでしょう。

配偶者の両親に対して、慰謝料請求はできる?

Q. 夫が不貞をしているので、離婚をしようと思っています。夫自身はあまりお金を持っていないのですが、夫の両親が資産家で生活には困っていません。慰藉料を夫の両親に請求することはできますでしょうか?

法律上は慰謝料の支払い義務を負うのは夫と不貞相手のみです。

不貞行為による慰謝料請求は、法律上は不法行為による損害賠償と呼ばれる請求の一つで、交通事故等と同じ条文が根拠となります。この不法行為による損害賠償は、不法行為(不貞行為)をした本人である配偶者、配偶者と共同で不貞を行った不貞相手に対して賠償を求めることができますが、不貞相手の親族などは法律上は賠償の義務を負いません。

また、「親から借りてお金を支払う義務」というものもありませんので、最悪の場合裁判をしても夫にお金が無いと、実家に資産があっても現にお金を受け取れない、ということもあり得ます。

そのような事態が想定される場合、なるべく裁判等にはせず、多少金額面で妥協をしても協議による合意をし、自発的な支払いを求めた方が良い場合もあります。

離婚はせずに、浮気相手に慰謝料請求はできる?

Q. 夫が浮気をしました。離婚の意思はなく、浮気相手に慰謝料を請求したいと考えているのですが、相手は元々夫婦が不仲であったのだから不貞にならないと言っています。浮気相手に対して請求はできないのでしょうか?

不仲であった、という程度であれば請求は可能です。

不貞行為による慰謝料請求は、夫婦の間の婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益を侵害する行為ということができるからこそ賠償義務が認められるもので、既に夫婦関係が破綻しているような場合には配偶者の保護すべき権利はないということになり、形式的に不倫といえるとしても、慰謝料請求は認められません。

このような情報が広く知られるようになったことで、不貞相手が既に破綻していたのだから支払いをしない、という反論をすることが増えてきているようですが、ここでいう破綻という判断は相当に厳格なもので、単に不仲という程度で認められるものではなく、相当長期間の別居などあって初めて認められるものです。

また、「破綻後に不貞があった」場合に賠償が否定されるのみですので、仮に請求時点で本当に関係が破綻していたとしても、不貞が破綻前に始まっている場合(たとえば、当該不貞相手との関係が発覚し夫婦関係が悪化し破綻に至った場合等が典型)には、当然に慰謝料請求が可能です。

財産分与とは?夫名義の資産を自分のものにできる?

Q. 財産分与とはなんでしょうか?夫名義の資産を自分のものにできると聞きましたが、本当でしょうか?

財産分与は夫婦共同財産の分割であり、婚姻期間中に得た財産であれば夫名義の資産も分与の対象になります。財産分与とは、夫婦が共同で得た財産について、婚姻関係を解消するにあたってそれぞれの貢献に応じて分轄する、というものです。

財産分与は、夫婦が婚姻中得た財産であれば名義をどのようにしていたかを問いませんので、現在夫名義としている資産であっても夫婦共同財産である限り分与の対象となります。

他方、これまでは一般的に婚姻後に得た財産を夫名義の資産としている夫婦が多かったため夫から妻に分与するとのイメージがありますが、妻名義や子供名義の資産も分与の対象となり得ますので、場合によっては妻から夫への分与、ということもあり得ます

専業主婦でも財産分与は受けられる?

Q. 自身は専業主婦で収入はありませんでしたが、財産分与は受けられるのでしょうか?

主婦で、外部からの収入が無くとも財産分与の請求をすることは可能です。

財産分与は夫婦が共同で得た財産の分割ですが、夫婦が共同で得たとは必ずしも外部から実収入を得ることに限りません。専業主婦で家事労働をしている場合も、家事などによって夫の生活、仕事に対し貢献していると評価されますので、夫が給与などとして得た収入も夫婦が共同で得たと扱われます。

分割の割合については2分の1とされることが通常ですが、資産の形成について夫婦の一方の特殊な技能などの貢献が大きいような場合等2分の1とは違う割合で分割することもあります。

双方の名義の財産全てが財産分与の対象となる?

Q. 夫婦の財産について、双方の名義の財産全てが財産分与の対象となるのでしょうか?

夫婦の共同により得たと言えないような財産は分与の対象とはなりません。

財産分与の対象になるのは婚姻期間中に夫婦で共同で得た財産ですので、まず「夫の名義の資産」に限らず、妻や子の名義であるものも分割の対象になりますが、他方で夫婦の協力とは無関係に得た財産については特有財産として分与の対象とはなりません。

たとえば、一方が婚姻前に形成した財産(結婚前からある預金等)や婚姻と関係なく取得した財産(実親族からの相続により得た財産等)については分与の対象とはなりません。

配偶者の債務も財産分与で負わなければならない?

Q. 夫婦に預金や不動産などプラスの資産はほとんどなく、夫名義の債務が多くあります。離婚にあたり、自身も財産分与で債務を負わなければならないのでしょうか?

現在連帯債務者になっていたり、保証をしている等の事情が無い限り、債務を負わなければならないということはありません。

財産分与は積極財産の分配は行いますが、消極財産(借金など)については分割の対象とはなりません。債務などは貸主のあることでもあり、夫婦の話し合いだけで債務者を変更することもできません。

もっとも、積極財産も消極財産もある、という場合には分割に際して消極財産も考慮され、例えば預金や不動産2000万円分の積極財産があり、他方で住宅ローン1000万円を夫が一人で負担するような場合、その分は預金や不動産の分配に際し夫が負担するローン分1000万円は控除して残りの1000万円が財産分与の対象として分割(分割割合を2分の1とすると夫1000万円+500万円、妻500万円)、といったことも行われます。

別居期間にできた貯金も財産分与の対象となる?

Q. 別居後に仕事を始め、貯金ができました。その後に離婚となった場合、別居後にできた預金も財産分与の対象となるのでしょうか?

原則として、財産分与の対象とはなりません。財産分与の対象となるのは夫婦共同財産であり、相手と無関係に得た財産は分与の対象とはなりません。

同居の夫婦において一方が外で働いて得る給与等は、同居している配偶者が家事などをすることでその協力を得て仕事をしているとされるため分与の対象となりますが、別居後については外に働きに出ることについてもう一方の協力貢献があるわけではありませんので、分与の対象とはなりません。

協議離婚が成立した後に、財産分与の請求はできる?

Q. 既に離婚は成立していますが、当時は離婚をすることを最優先にしたため、協議離婚として、財産分与なども何も決めていませんでした。後日請求することは出来るのでしょうか?

時効の完成前であれば慰謝料請求することは可能です。財産分与等金銭に関する事項は離婚時に決めておく方が望ましいと言えますが、事情によっては離婚を急ぐため金銭については後日決めるということも多々あります。

法律上、財産分与については離婚後2年で時効にかかるとされていますので、離婚から2年以内であれば財産分与を求めることが可能です。

協議離婚が成立した後に、財産分与の請求はできる?

Q. 既に離婚は成立していますが、当時は離婚をすることを最優先にしたため、協議離婚として、財産分与なども何も決めていませんでした。後日請求することは出来るのでしょうか?

時効の完成前であれば慰謝料請求することは可能です。財産分与等金銭に関する事項は離婚時に決めておく方が望ましいと言えますが、事情によっては離婚を急ぐため金銭については後日決めるということも多々あります。

法律上、財産分与については離婚後2年で時効にかかるとされていますので、離婚から2年以内であれば財産分与を求めることが可能です。

夫が出て行く形で別居をしましたが、生活費はこれまで通りもらえる?

Q. 離婚を前提に、夫が出ていく形で別居することになりました。自身は専業主婦で外からの収入はないのですがが、生活費をこれまで通り入れてもらえるか心配です。

法的には離婚までの間は婚姻費用の支払いの義務があります。

夫婦は互いに助け合い生活する義務があり、婚姻関係が継続している場合、仮に離婚協議中で別居している場合であっても相手方の生活を維持する義務があり、婚姻費用の支払いの義務を負うことになります。

金額については、双方の合意があればその金額での支払となります。

別居時に取り決めをしていないような場合でも、裁判所に調停を申し立てることで、双方の収入や未成年の子の養育監護の有無などに応じた程度の婚姻費用の支払いを求めることができます。この場合養育費と同様に裁判所で資料として用いられる婚姻費用の算定表が一般的な相場となりますが、従前の生活をそのまま維持できる金額とまではいえません。

また、婚姻費用について具体的に合意をしていない場合に調停などを申し立てても、将来分の支払いを求めることは可能ですが、過去に遡って支払われていなかった期間分の婚姻費用の支払いを求めることはできません(たとえば、6月から別居、9月に調停申立となった場合に、支払いがされていなかった6月から8月分の婚姻費用の支払いを求めることはできません)。

DVがあるなど緊急で別居をする必要がある場合もありますが、特に専業主婦など外部からの収入が無く生活費を相手に頼る必要がある場合、可能であれば別居に当たり離婚成立までの間の生活費(婚姻費用)について話をしておき、また途中で支払いが止められたり金額を下げられてしまう可能性に備え合意した内容を文書などの形で残しておくことが望ましいと言えます。

親権については後日協議するとして、先に離婚することはできる?

Q. 離婚をすることには夫婦双方合意ができましたたが、未成年の子供がおり、双方とも子どもの親権を取りたいと言って話がまとまりません。親権については後日協議するとして、先に離婚することはできるでしょうか?

未成年の子供がいる場合、子の親権者を決めなければ離婚自体ができません。離婚をするにあたって、慰謝料や財産分与等については離婚後に改めて協議することとして先に離婚をすることが可能ですが、子供の親権者については離婚時に決めておく必要があり、協議離婚の場合も子の親権者欄に記載が無い場合離婚届は受理されません。

双方が子供の親権を取り合う場合、逆に双方とも相手に引き取るよう主張する場合等、協議にて親権者が決まらない場合は調停を行い、それでも合意に至らない場合は審判、裁判にて親権者を決定することになります。

離婚原因が妻の不貞の場合でも、親権を取られてしまう?

Q. 妻との離婚を考えています。一般的に親権は母親が有利と聞きましたが、離婚原因が妻の不貞の場合でも妻に親権を取られてしまうのでしょうか?

協議離婚の場合、子の親権者は夫婦の合意によって決めますので、必ずしも常に母親となるわけではありません。慰藉料等も含めた協議の結果として合意に至れば、夫側を親権者とすることもあり得ます。

他方、協議、調停での離婚が成立せず、裁判所が親権者の判断を行う場合、子にとって両親いずれの養育によることが望ましいのか、との観点が最も重視されますので、離婚自体について妻に非がある場合であっても、妻が親権者となることはあり得ます。

一般に親権の争いでは母親が有利といわれるのは、多くの場合夫婦のうち妻が子の養育を実際に担当し子と直接接している時間が長いこと、また別居などの際にも妻が子と同居し養育しているなど、子の養育にあたり妻側との関係がより良好であることが多いためです。

そのため、たとえば別居に際し妻が子供を置いたまま不貞相手とどこかに行ってしまい子の養育を放棄した、別居が長期に及びその間父親側が子を育てていた、母親による子への虐待があるなどといった、妻より夫の方での養育が子にとって適切であるという事情があれば、夫側で親権を得ることも可能です。

子の親権を離婚後に変更することはできる?

Q. 妻と離婚し、相手が子の親権者となりました。離婚後、相手は再婚したらしいが、再婚相手にかまってばかりで子の養育がきちんとされていないという話しを聞きました。子の親権を離婚後に変更することはできるでしょうか?

家庭裁判所に調停、審判等を申立、子の親権の変更を求めることが可能です。

離婚の際に子の親権者を決める必要がありますが、離婚後においても子の利益のため必要である場合には、家庭裁判所での手続きを経て親権者の変更を求めることが可能です。

調停での話し合いが成立しない場合、自動的に審判手続きとなり、裁判官が今までの養育状況,双方の経済力や家庭環境等一切の事情を考慮して判断をすることになります。

養育費は程度支払いを受けることができる?

Q. 離婚をするにあたり、子供の保育園の費用や今後の学費が心配です。養育費はどの程度支払いを受けることができるでしょうか?

養育費の金額について、まず双方が協議を行い合意をすることができれば、合意した金額での支払となります。慰藉料や財産分与等離婚に際して問題となる多くの点で共通しますが、一般的な「相場」というのは裁判例その他の前例から言われているもので、最終的に裁判等で決着をつける場合の着地点とはなりますが、互いが納得できるのであれば、「相場」とは無関係に双方の合意が有効となります。

しかし、一般的には受け取る側は少しでも多く、支払う側は少しでも少なく、と考えますので、合意ができないこともあります。養育費に関しては、双方の収入や子の人数やそれぞれの年齢等を考慮して算出されますが、これらを簡易にまとめた養育費算定表(東京・大阪の裁判官が作成したものです)が裁判所でも調停などの際に資料として用いられています。特殊な事情があれば算定表の金額を修正することになりますが、通常は算定表に沿った金額が養育費の相場とされます。

離婚後に働き始めた元妻に養育費の請求はできる?

妻と離婚し、自身が親権者となりました。妻は専業主婦であったので、離婚時には養育費の支払いはなしとしていたが、離婚後は働いていると知りました。養育費の支払いを求めることはできるでしょうか?

養育費について取り決めをしていた場合であっても、その後の事情の変化があった場合には金額の変更など求めることが可能です。

離婚時に一度合意した養育費の額を、その後変更するというと不誠実な感じもしますが、他方で養育費の支払いは場合によっては約20年も続く可能性のあるもので、その間に生じる事情の変化を一切認めず当初の合意を守らなければならない、とすることもまた問題があり、相当な理由があれば合意後の事情の変更を理由に養育費の増額、減額を求めることは認められます。これは、当初の合意について公正証書を作成していた場合や調停等裁判所の手続きを経て養育費の金額を決めた場合でも同様です。

養育費の額については一般的に双方の収入を基に金額を決めるのが通常です。しかし、支払側、受取側の双方について、就職、解雇や転職による収入の増減、再婚による生活費用の変化があった、子の大病により医療費が必要になった、などと言った場合には、協議や調停、審判により養育費の増額、減額を求めることが可能になります。

条件合意後でも、養育費の支払い内容は変更しなければならない?

Q. 妻の不貞が理由で離婚、親権者は相手方となりましたが、離婚の経緯から養育費はなしということで合意しました。離婚後しばらくして、やはり生活が苦しく養育費の支払いをして欲しいと言って来ましたが、養育費の支払いをしなければならないのでしょうか?

離婚時に親権者が養育費を請求しないと合意していたとしていても、後日支払いを求められる可能性があります。

養育費というのは、離婚後に子を養育監護する親から他方に対して、子の養育監護に要する費用の支払いを求める権利です。金銭の支払請求権であり、慰謝料等と同様に請求権者である監護親が放棄することも可能なように思われますが、養育費は子供が両親から養育を受ける権利としての性質も有しているとされ、また扶養を受ける権利(未成年の子供に限らず、直系血族や兄弟姉妹に認められるもので厳密には養育費とは異なりますが、未成年の子から実親に対する請求の場合は実質的にはほぼ同じといえるものです)は放棄できない(民法881条)とされていることもあって、離婚に際し養育費を請求しないとの合意をしても、後日請求をされる可能性があります。

もっとも、従前の合意が全く無意味というわけではなく、養育費を放棄するといった合意をしたこと自体は後日の紛争で金額を算定する場合にも考慮されますし、特に事情の変化もなしに金額を変更して欲しい、ということは通常は認められません。

養育費は何歳まで受け取ることができる?

Q. 夫と離婚することになり、養育費について協議をしています。夫は18歳までしか支払わないといいますが、夫も自身も4大卒で子供にも大学は行かせたいと考えています。養育費は何歳まで受け取れるでしょうか?

養育費は一般的には20歳まで、しかし両親の資力や学歴、子供自身の希望等の事情から22歳までと認められる可能性もあります。

養育費について、いつまで支払いをするのか、という点も非常に重要な問題です。子供が親の扶養を必要とする間は養育費の支払いが必要となりますが、それが具体的に何歳までなのかというと、個々の家庭によって異なることになります。

一般的には、子が成人することでひとつの区切りとされ、20歳とするのが一般的ではありますが、高校卒業後18歳で就職する、逆に大学に進学し22歳で就職する、といった可能性もあります。

子が何歳まで養育を必要とするのかについて、親の資力や学歴などを考慮して判断されることになり、近年の大卒者増加で22歳までの養育費支払いが認められることも最近は多くなってきているようです。

戸籍を変更するにはどのような手続が必要?

Q. 子供の親権者を自分にして協議離婚することで夫と話がまとまりました。自分は旧姓に戻し、子供の苗字も自分と同じにしたいと思っていますが、何か手続きが必要でしょうか?

自身に新たな戸籍作成、子供の氏の変更、子供の戸籍の移動が必要です。

離婚した夫婦の一方(婚姻時に相手の戸籍に入った側、多くは妻)は離婚後に元の戸籍(両親の戸籍)に戻る、又は新たに戸籍を作ることになりますが、子は仮に母が親権者になるとしても当然に母の戸籍に移るわけではなく、手続をしなければ従前の戸籍(父の戸籍)のままです。

そのため、子の戸籍に変更がない場合(父の戸籍に入っていた子について、離婚後の親権者を父とする場合等)には特に手続きは必要ありませんが、婚姻時に夫(父)の戸籍に入っていた妻(母)が親権者となる場合、母の戸籍に子を入れるための手続きが必要です。

その場合、①母が新たな戸籍を作る(離婚届にチェック欄有。母は母の両親(子の祖父母)の戸籍に戻ることができますが、祖父母と子が養子縁組等しない限り子は祖父母の戸籍には入れませんので、母を筆頭者とする新たな戸籍を作ります)、②家庭裁判所で、子の氏の変更許可申請をし、許可を得る(同じ氏でなければ同じ戸籍には入れませんので、子の氏を父の氏から母の氏に変更することの許可を家裁で受ける必要があります。この手続きは、母が旧姓に戻らず婚姻中の氏を離婚後も使用する氏の続称の手続きをした場合でも必要とされます。)、③家庭裁判所の許可を得た後、役場で母の戸籍に子を転籍させる手続きを行うことが必要になります。

離婚時に子供に会う方法を決めていませんでしたが、子供に会えないのか?

Q. 離婚に際し、子供の親権は元妻が持つことになりました。特に離婚時に子供に会う方法など決めていなかったところ、離婚後妻が子供に会わせないと言い出しました。子供に会うことはできないのでしょうか?

調停など申し立てることで、子供との面会が可能になる可能性があります。

離婚によって親権とならなかった側について、法律上の親子関係がなくなるわけではなく、親権者ではなくなっても親子であることには変わりありません。

明確に法律に記載されているわけではありませんが、親には子と面会する権利があるとされており、相手方がこれを不当に妨げているような場合は調停などで面会交流を求めることが可能です。

もっとも、調停や公正証書等で面会について定め、相手がこれに正当な理由なく応じない場合でも、どうしても相手が子供との面会に応じない場合に法律が強制的に子供と面会させること(直接強制)はできないとされています。

損害賠償の請求や、裁判所を通じ履行を促すこと(履行勧告)、子供に会わせるまで一定の金銭支払いを命じる(間接強制)手続きはありますが、子供に会うこと自体を強制できないため、最終的に面会を確保するためには相手方との間で十分納得を得て合意をすることが必要です。

既婚者と知らずに関係を持ってしまった

Q. 交際をしていた相手方の妻と名乗る人から連絡があり、不貞行為の慰謝料を請求すると言われています。相手方が既婚であると知らなかったのですが、慰謝料を支払わなければならないのでしょうか?

相手方が既婚であることを知らず、また知らなかったことについて落ち度が無いと言える場合には、賠償の義務は生じません。

不法行為による損害賠償請求をするためには、相手方に故意または過失がなければ賠償請求はできません。不貞の慰謝料請求の場合、相手が既婚であることを知っていた、または既婚であると容易に気付くことができた(のに気付かなかった)場合には、賠償の義務を負わないことになります。

既婚であると知らなかった場合でも、たとえば相手が結婚指輪をしていた、職場の同僚で家族の話も出ていた、メールのやり取りの中で既婚と分かるような文面があった、など通常であれば既婚であるとわかってしかるべき、という場合は慰謝料の支払いを命じられることになります。

内縁関係の相手が不貞をした場合に、慰謝料を請求できる?

Q. 長期間同棲し一緒に生活している事実婚状態の相手がいましたが、籍は入れていませんでした。その相手が別の相手と関係を持ち、それがもとで別れることになった場合、不貞を理由に慰謝料の請求はできますか?

内縁関係があると認められれば、法律上の婚姻関係に無い場合でも慰謝料の請求が可能です。

不貞による慰謝料請求は夫婦の婚姻関係を前提とするものですが、婚姻届を提出し法律上の婚姻関係になっていない場合であっても、長期間同居し生活も共同で行っている場合等で単なる同棲を超えて実態としては法律上の夫婦と変わらないと言える場合、両者の関係は内縁関係として相続など一部の点を除き法律上の夫婦と同様の扱い、保護を受けます。

内縁関係と認められれば、法律上の婚姻の場合と同様に相互に貞操義務を負い、不貞行為を行うと慰謝料請求権が発生します。

もっとも、内縁関係となるのは届出をしていないだけで実態としては夫婦と変わらない、婚姻に準ずるといえる場合であり、単に同棲をしているだけで必ず内縁となるわけではありません。内縁関係の成立には客観的な届出等が存在しないため、内縁となるかどうかは個々の事案毎に判断されることになります。

不倫相手からの慰謝料請求は応じなければならない?

Q. 不倫相手と別れようとしたところ、どうしても別れたくない、別れるのであれば慰謝料を請求すると言っています。相手は自分が既婚であると知っていましたが、支払わなければならないのでしょうか?

法的に、不貞相手に対しての慰謝料支払いの義務はありませんが、相手が慰謝料を支払った場合、求償の問題が生じることがあります。

不貞による慰謝料請求は、婚姻関係を破綻させるような違法な行為に対する賠償を命じるものです。不貞により被害を受けるのは、不貞を行った者の配偶者であり、不貞を行った当人である相手方に対しては慰謝料の支払い義務は生じません。

独身であると偽って関係を持った場合等、そもそも相手方が不貞を行ったといえないような場合は別として、法的には賠償の義務を負わないことになります。

もっとも、不貞や離婚等の問題は法律に沿った対応が必ずしもベストとは限りませんので、事情をよく把握した上で対応する必要があります。

不倫相手との間の子供について、認知しなければならない?

Q. 不倫相手に子供ができ、産みたいと言っています。子供が生まれた場合、認知をしなければならないのでしょうか?また、認知をした場合、今後どのような影響があるでしょうか?

婚姻関係にある夫婦の子は両親の子と推定されますが、そのような推定が働かない場合の男性と子供の親子関係は、認知をすることで生じることになります。認知をしなければ法律上は親子とはなりませんが、相手方や子等からは認知の調停、訴訟が起こされ強制認知となる可能性があります。

また、親子関係が生じた場合、親として子の養育の義務、養育費の支払義務が生じることになり、また自身が死亡した時には相続の問題も生じることになります(非嫡出子の相続分の問題はあります)。

別居していれば離婚できる?

Q. 妻と別居し離婚を求め協議を続けていますが、妻は離婚したくないと言って話が進みません。別居して既に1年程経ちますが、別居を理由に離婚できるでしょうか。

別居は離婚を肯定する要素となりますが、相手方が離婚に応じない場合は数か月の別居のみでは離婚できない可能性があります。

 夫婦を取り巻く事情を考慮し婚姻を継続し難い重大な事由があると判断されれば一方が離婚を望まない場合でも離婚は可能で、別居していることは重要な判断要素ではありますが、別居をしていれば必ず離婚が可能というものではありません。

 別居が長期に及ぶ程離婚が認められる可能性は高くはなりますが、婚姻期間、子供の有無や年齢、双方の収入生活状況等、様々な事情が考慮され総合的な判断がされますので何年別居すれば絶対に大丈夫、といえるものではありません。

調停はどこの裁判所に申し立てる?

Q. 離婚の話し合いが進まず、調停を申し立てようと考えています。既に別居しており、仕事の関係で遠方に居住していますが、自分の住所地に近い裁判所に調停を申し立てることができるのでしょうか?

調停申立が可能な裁判所は法律で決まっています。

調停は家庭裁判所に対して申立をすることで手続きを開始します。その際、どこの家庭裁判所が調停を行うか(管轄と言います)は法律上きまっており、どこの裁判所に対してでも申し立てができるというものではありません。

当事者双方がどこの家庭裁判所で調停を行うかについて合意をできるのであればその合意した裁判所で調停を行うことができますが、そのような合意が無い場合、特別な事情が無い限り申立をする側ではなく、申立される側の住所地を管轄する裁判所に申し立てることになります。

同居している場合はあまり問題にはなりませんが、別居して遠方に居住しているような場合には、申立をする側は相手の住所地まで出向いて調停を行う必要があり、大きな負担となる場合があります。

相手方が話し合いに応じず、調停にも来ない場合は?

Q. 相手方と離婚の話合をするためこちらから連絡しても全く反応が無いので調停をしようと思いますが、調停にも出てこないのではないかと心配しています。調停で相手方が裁判所に来ない場合、離婚できないのでしょうか?

調停での離婚はできません。その後は裁判での離婚を求めることが考えられます。

調停は裁判所で双方が話し合いをする手続きですので、相手方が裁判所の呼び出しを受けても出頭せず話し合いが出来ない場合には強制的に結論を出すことはできず、調停は不成立となります。

では、明らかに離婚の理由があるにもかかわらず相手方が逃げ回る限り離婚できないかというとそうではなく、調停と異なり相手方不出頭でも裁判による離婚は可能ですので、調停不成立となった後に裁判をすることで離婚の判決を求めることは可能です。

もっとも、この場合双方の話し合いではなく裁判所が法律に則って離婚理由の有無を判断するため、法律上の離婚理由が無い場合は離婚できないということになります。

養育費の支払いが止まってしまった

Q. 数年前に離婚しました。元夫とは離婚時に養育費の支払いを合意しましたが、その後支払いが止まってしまい、連絡しても応答ありません。支払いを求めるにはどのようにすればよいでしょうか。

離婚時に調停や裁判を経ず、また公正証書も作成していないという場合にはまず調停、裁判等をする必要があります。その後、履行勧告、強制執行といった方法で履行を求めることが考えられます。

調停や裁判、公正証書による合意で養育費を定めた場合は裁判を経ず、最初から履行勧告、強制執行の手続きをすることが可能です。

履行勧告とは、家庭裁判所の手続きで、支払いをしない相手方に裁判所から支払をするよう催促をしてもらう手続きです。裁判所から履行を求める文書が届くことで相手方が自発的に支払いをすることを促すもので、強制的に金銭を支払わせる手続きではありませんが一定の効果は見込まれます。

自発的な支払いが期待できない場合、差押等の強制執行の手続きをすることも考えられます。この場合、差押の対象となる財産(預金や不動産、給与の差押えの場合は勤務先等)の情報が必要になります。強制的に相手の財産から支払いを受けることができますが、差押の対象となる財産が無いような場合は手続きをしても意味が無いことになってしまいます。

離婚後の復氏の合意について

Q. 先日離婚をしました。私は婚姻中は相手の姓を名乗っていましたが、子供の苗字が変わってしまうことや仕事の上での不便など考えると、婚姻中の姓名乗りたいと考えています。旧姓に戻さず、婚姻中の姓を名乗ることは可能でしょうか。

3か月以内に届出をすることで、婚姻中の姓を名乗ることが可能です。
婚姻によって配偶者の戸籍に入り相手の姓を名乗っていたものが離婚した場合、原則として婚姻前の姓に戻ることになりますが、届出をすることで婚姻中の姓を名乗ることが可能です。

通常、離婚届提出時に既に婚姻中の姓を名乗ることを決めているのであれば、その場で役所に届出をし、離婚後の新たな戸籍を婚姻中の姓で作ることになりますが、離婚届提出後でも離婚から3か月以内であれば届出をすることが可能です。

期限を過ぎてしまった場合原則として婚姻中の姓を名乗ることはできなくなりますが、やむを得ない事情があれば家庭裁判所の許可を得ることで変更が認められる可能性があります。

復氏の合意の強制力について

Q. 離婚をする際、私が離婚後に旧姓に戻る、ということについて合意しましたが、やはり従前通り婚姻中の姓を名乗りたいと考えています。合意をしてしまった場合、旧姓に戻さなければならないのでしょうか。

法的には、離婚後に復氏(旧姓に戻すこと)するか、婚姻中の姓を名乗り続けるか、については本人の意思に委ねられ、復氏を合意したとしても、拘束力はないとされています。そのため、公正証書を作成したり、調停や裁判で離婚するような場合はこのような条項は入れられないのですが、当事者が話し合いで離婚するような場合には復氏の合意をすることもあり得ます。

法的には拘束力が無いので旧姓に戻さなくとも何か強制を受けることは無いのですが、離婚時の話し合いの結果に反することにはなるのでトラブルの種にはなってしまいますので、離婚時に合意をする場合には十分検討してから合意をする必要があります。

身体的な暴力予防への法的な対応について

Q. 夫からの暴力が酷く別居することにしましたが、別居後も自宅近くを徘徊していたり、電話がかかってきて出ないと何十件も着信があったりと恐怖を感じています。辞めさせることはできないでしょうか。

最も安全なのは、再度相手方に分からない場所に転居してしまうことですが、生活や費用の問題もあり困難な場合も多いと思われます。

法的に相手方からの接触を止める方法としては、裁判所に保護命令を出してもらう、というものがあります。これは、配偶者等に対して身体への暴力を防ぐため、裁判所に申し立てをして本人や子供、親族などへの直接の接触や電話連絡等を禁止する命令を出してもらう、というものです。

身体的な暴力を防ぐことが目的ですので、これまでの暴力で怪我をした際の医師の診断書等を準備して暴力を受ける危険があることを示す必要があり、また事前に警察や支援センター等に相談をしていることが必要になります。有効期間は6カ月なので、その後も危険な状態が継続しているという場合は再度の申立が必要になります。

経済状況と親権について

Q. 離婚の話し合いをしていますが、双方が子供の親権を主張しています。夫は、専業主婦であった私が今後就職するとしても十分な収入が得られないのだから、親権は収入の多い自分が採ると言って聞きませんが、このまま裁判にまでなった場合、経済的に優位な夫に親権は取られてしまうのでしょうか。

収入が多い側が親権を得る、というものではありません。親の離婚は子供には何ら責任のないもので、親が子供を養育する義務は離婚後親権者とならない親も負い続けることになります。

確かに、子供の生活が維持できない程経済的に困窮しているという場合等は問題がありますし、親権の判断にあたり経済状況も考慮要素とはなりますが、基本的に双方の経済的な格差は養育費である程度カバーされますので、収入の多寡だけで親権が決まるということは無く、これまでの生活状況など踏まえ総合的な判断がされることになります。

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