破産手続とは、裁判所を通して、会社の財産を債権者の平等に分配する手続を言います。
「借金を返すことができない」、「会社を今後継続的に経営していくことが難しい」という場合の選択肢の一つとして破産があります。
破産をすると、基本的に会社の事業は継続することができなくなるため、自分が苦労して経営してきた会社を手放すことと同じであり、経営者には覚悟が必要とされます。
破産手続とは、裁判所を通して、会社の財産を債権者の平等に分配する手続を言います。
「借金を返すことができない」、「会社を今後継続的に経営していくことが難しい」という場合の選択肢の一つとして破産があります。
破産をすると、基本的に会社の事業は継続することができなくなるため、自分が苦労して経営してきた会社を手放すことと同じであり、経営者には覚悟が必要とされます。
債務が免除されるため、返済の資金繰りを考える必要が無くなる、今後は取り立てがなくなる。
・倒産するのなら、わざわざ裁判所を通して手続をする必要がないのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、裁判所を通して破産手続をするからこそ、債権者はどうしようもないためあきらめるのであり、きちんとした手続をしなければ、請求を続ける債権者もあるのです。
・破産手続をすることにより、債権者も債権の損金処理等が容易になるため、債権者にとってもきちんとした手続を踏むことは重要です。
・債務を全て精算できるため、資金繰りに追われる日々からも解放されます。
・感情的な債権者も裁判所の手続には従うのが通常です(一般的に破産申立をした後にも本人に対してしつこくつきまとってくるような債権者はまれです。)
多くの中小企業においては、経営者も会社の債務を連帯保証していることが多く、会社が破産する場合は、同時に経営者も破産する必要が生じます。そうすると、当面の間は経営者が新たに借入をすることは困難となります。しかし、それ以外には破産することによるデメリットはあまりありません。
1. 債権者への迷惑
破産の手続をした場合、通常は、債権者への配当はかなり低い弁済率でなされるため、債権者に経済的不利益を負わせることになります。
(ただし、これはすでに破産状態に陥っている会社の場合は、もともと支払ができない状況にあるのですから、厳密には破産をすることのデメリットにはあたりません)
2. 従業員の問題
破産手続が開始すると、原則として従業員は解雇せざるを得ません。本当にギリギリになるまでお金を使ってしまってからの破産ですと従業員にも迷惑がかかります。もちろん、今後働く職場がないこと自体が従業員にとっての不利益と言えるかもしれませんが、そこはやむをえないことですのでひとまずおいてください。そして、当面のお金のことを考えたとき、従業員に支払うべきものは大きく2つあります。一つは解雇予告手当です。今すぐ解雇するときは、給与の30日分について給与とは別に払う必要があります。そして、給与は当然に払う必要がありますが、直近の支払いができない場合は、条件を満たせば、国の外部団体から未払い賃金の立替を受けることができます。未払い給与の80%ですが、何も保証がないよりは良いと思われます。また、会社都合での解雇になりますので、失業手当の支給も早めに行われます。
3.経営者本人の破産
会社が破産する場合は、経営者の破産(会社代表者)もセットになります。経営者が破産した場合に、今後の生活がどうなるかについて説明します。
経営者ご自身が破産した場合にどういう不利益があるかですが、世間でイメージされるほどの不利益はありません。
破産することにより、今後借金ができないとかクレジットカードが当面作れないと言うことはあるかもしれませんが、そもそもそれは破産したからそうなるのではなく、破産するような現在の経済状態からは同様の結論になるはずです。
また、業種によっては破産することによりその職業に就けなくなるものもありますが、破産手続きがおわれば就業制限はなくなりますので、あまり気にされる必要はないと思います(会社の経営者の場合)。
不動産や車などは処分されることになる(現金化されて配当金になる)可能性が高いですが、破産申立の時点で99万円分の財産は保持することができますし、破産手続きがスタートした後に新たに仕事について収入を得た場合それはすべて自分のものとなります。
テレビやベッドやテーブルなどの家財道具については多くのケースでは処分されることはなく、今まで通りに使える可能性が高いです(高価なものであれば別ですが、通常の家庭にあるものはほとんど処分の対象にはなりません)。
また、ご自身が破産されるとしても家族の預貯金や所有物は関係ありませんので、今までと同様に家族のものです。
戸籍に破産したことが記載されたり、選挙権がなくなったりと言うことはありません。
*破産する場合は、すべての債権者を平等に扱う必要があります。
銀行の借金は返さないけど、兄弟から借りたお金は返すということはできません。
親族からの借り入れは事業が困難になったときにすべきではない理由としては、共倒れや連鎖的に破産を生む可能性があるからです。親族から支援が受けられるなら、破産手続きがおわって、生活を再建するときに支援してもらえばそのお金は有効に使えるのです。
破産は若干特殊ですが、相談にいらっしゃる方の多くが「法律相談なんて状況は滅多に無い」「普段は何も問題がなくて」とおっしゃいます。これは当たり前の話で、破産や債権回収を弁護士に依頼するような案件が日常茶飯事という会社はありません。今なにか努力の結果としてそうなっているのではなく、幸運であるだけかも知れない。そう思っていただくのが良い場合もあります。企業は社会情勢の変化で本当に大きな影響を受けるものです。
私たち弁護士法人アルマでは、そういった方に向けて「いざという時のための備え」だけではなく「企業運営の中で日頃から法律相談できるパートナーの存在は非常に有益かつ重要である」との考え方から、企業法務月額プランをご提供しています。
法律相談や債権回収などを気軽にご相談出来る関係性を維持することで、企業存続に対しても必要なアドバイスを送りつつ、いざという時には破産手続きなどのお手伝いもできるよう「関係性を維持する」「いざという時に頼りになるパートナー」として在ることをなにより重要視しています。
「債権回収は滅多に無いけれど、従業員とこんな揉め事がある」「就業規則が古くなっていて、手を入れたかった」「契約書に自信が無い」など、料金プランに記載されていたり、月額メニューに記載されているものにお心あたりが無いか、ぜひ一度チェックをお願いします。