21世紀のビジネスで見積もメールなどでの発注の証拠も何も残っていない口約束だけの仕事というのは、実はほぼありません。それでもビジネスにおいて認識の違いや突然の要求によるトラブルが絶えないのは、単に発注者と受注者が「異なる会社の異なる人間だから」という事に過ぎません。
つまり、その場で同じ時間を共有して打ち合わせをしていても、メールでコミュニケーションを取っていても、食い違いが起きるのは必然なのです。
「このように明確に契約書には記載されているのに、こんな要求をされたので訴えたい」
こんな相談は意外と少ないものです。私たちのもとに寄せられる相談の大半は
「契約書は一応あるんです。でもその時はこんなことになるとは思っていなくて…(今直面している事態についての規定が契約書には無い)」
というものです。つまり契約書を交わす時に、どの程度最悪の事態や不測の事態を想定出来ているか、またそうした事態を招いた際に自分たちの立場にどのような裏付けがあるか。ビジネスが約束とお金の交換である以上、この視点が非常に重要ではないでしょうか。そう、専門家の出番です。