医師に症状固定と診断された後に、後遺障害の等級認定手続をすることとなります。症状固定というのは、「これ以上治療を続けても良くならない。」「治療をやめても悪化しない」という状態になったときのことです。通常は、半年経過後くらいになるかと思います。
もちろん、これよりも長い期間治療がかかることもあります(若年の高次脳機能障害の場合は、数年かかることも珍しくありません)。
逆に短い場合もあります(骨折を原因とする後遺障害の場合など)。完全に治った場合は後遺障害の認定はなされません。
医師に症状固定と診断された後に、後遺障害の等級認定手続をすることとなります。症状固定というのは、「これ以上治療を続けても良くならない。」「治療をやめても悪化しない」という状態になったときのことです。通常は、半年経過後くらいになるかと思います。
もちろん、これよりも長い期間治療がかかることもあります(若年の高次脳機能障害の場合は、数年かかることも珍しくありません)。
逆に短い場合もあります(骨折を原因とする後遺障害の場合など)。完全に治った場合は後遺障害の認定はなされません。
医師から告げられた診断名から、症状固定後にどのような後遺障害等級が認定される可能性があるかについて、説明します。なお、ここに記載されている後遺障害等級が当然に認定されると言うことではありません。同じ診断名でも症状の程度により、変わりますし、立証できるかという問題もあります。あくまで参考程度にご覧ください。
・脳挫傷、外傷性くも膜下出血、急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、びまん性軸索損傷、外傷性てんかん、高次脳機能障害
→(獲得しうる後遺障害等級 1級、2級、3級、5級、7級、9級、12級、14級 )
・遷延性意識障害→(獲得しうる後遺障害等級 1級)
・せき柱圧迫骨折、破裂骨折→(獲得しうる後遺障害等級 6級、8級、11級)
・鎖骨骨折 →(獲得しうる後遺障害等級 10級、12級)
・肋骨、胸骨、肋軟骨、肩胛骨骨折→(獲得しうる後遺障害等級 12級)
・肩鎖関節脱臼→(獲得しうる後遺障害等級 10級、12級)
・肩腱板断裂 →(獲得しうる後遺障害等級 8級、10級、12級)
・上腕骨骨折、橈骨骨折、尺骨骨折→(獲得しうる後遺障害等級 7級、8級、12級)
・尺骨神経麻痺→(獲得しうる後遺障害等級 10級、12級、14級)
・橈骨神経麻痺→(獲得しうる後遺障害等級 10級)
・神経根引き抜き損傷→(獲得しうる後遺障害等級 5級)
・上腕神経叢麻痺→(獲得しうる後遺障害等級 5級)
・肘関節脱臼→(獲得しうる後遺障害等級 12級)
・肘内側(外側)側副靱帯損傷→(獲得しうる後遺障害等級 12級)
・TFCC(三角線維軟骨複合体)損傷→(獲得しうる後遺障害等級 10級、12級)
・手舟状骨骨折→(獲得しうる後遺障害等級 10級、12級)
・大腿骨骨折、腓骨骨折、脛骨骨折→(獲得しうる後遺障害等級 5級、8級、10級、12級)
・骨盤骨骨折→(獲得しうる後遺障害等級 12級)ただし、産道の狭窄があれば、別途11級
・股関節脱臼骨折→(獲得しうる後遺障害等級 10級、12級)
・大腿骨転子下骨折→(獲得しうる後遺障害等級 10級、12級)
・外側(内側)側副靱帯損傷→(獲得しうる後遺障害等級 10級、12級)
・前十字(後十字)靱帯損傷→(獲得しうる後遺障害等級 10級、12級)
・腓骨神経麻痺 → (獲得しうる後遺障害等級 7級)
・距骨骨折→ (獲得しうる後遺障害等級 10級)
・中足骨骨折→(獲得しうる後遺障害等級 12級)
・外傷性頚部症候群、頚椎捻挫、頚部捻挫、頚椎挫傷、頚椎神経根症、頸椎椎間板ヘルニア
→(獲得しうる後遺障害等級 12級、14級)
・外傷性腰部症候群、腰椎捻挫、腰部挫傷→(獲得しうる後遺障害等級 12級、14級)
遷延性意識障害とは、いわゆる植物状態のことをいいます。
①自力で移動ができない
②自力で食事ができない
③糞・尿を失禁してしまう
④目でかろうじて物を追うことはできても、それを認識することができない。
⑤簡単な命令にはかろうじて反応するが、自発的な行動ができない。
⑥意味のある発言ができない
このような状態が、3か月以上続いている状態の場合です。
遷延性意識障害の場合に、損害賠償できるのは、治療費はもちろん、慰謝料、逸失利益、介護費用(数十年単位だと場合によっては、億単位の賠償金となります)、家屋改造費等があり、損害賠償金は多額になります。ただし、当然に多額になるのではないことはいうまでもありません(一般的には死亡の場合よりも多額になります)。
住宅環境を整えること(滅菌対応の部屋にする、床ずれを防ぐベッド等)も重要な要素となります。
脊柱とはいわゆる背骨のことです。交通事故により、脊柱に①圧迫骨折がある場合(25%以上の圧壊があるとき)、②破裂骨折がある場合、③脊椎の固定術がなされた場合 この3つのいずれかに該当することが第一の条件。そして、a 運動障害(通常と比較して可動域に制限があること)がある場合、b変形がある場合、c荷重障害(常時硬性コルセットの装着が必要)のいずれかが認められると、後遺障害が認定されます。
その症状に応じて、6級、8級、11級が認定されます。
鎖骨、胸骨、肋骨、肩胛骨、骨盤骨の変形があります。これらの場合は、12級の後遺障害に該当する可能性があります。ただし、骨盤骨の変形については、産婦人科で産道が確保されているかどうかを検査する必要があります。
通常の場合と比較して、産道の狭窄等が認められると、自然分娩ができない可能性があり、帝王切開しないといけない場合があります。その場合は、それ自体が別個の後遺障害等級に該当する可能性があります。
脊髄とは、脳と体の各部分を結んで信号を伝える役割を持つ神経線維の長い棒状の束をいいます。脊髄損傷とは、脊椎の骨折や脱臼により、脊髄に損傷が生じることをいいます。脳から各部に信号を伝達する役割を持つ脊髄に損傷が生じると、信号伝達のできなくなった部分は麻痺が生じます。手足の麻痺、運動障害、知覚障害、尿路障害等の後遺障害が残る可能性があります。
診断名としては、脊髄損傷、頚髄損傷、胸髄損傷、腰髄損傷、中心性脊髄損傷などがあります。
脊髄損傷による後遺障害等級は、1級、2級、3級、5級、7級、9級、12級と幅があります。
脊髄損傷との診断のみでなく、画像による立証、症状の重さにより等級が決まります。どの程度の麻痺がどの部分にあるか、そのことが立証できるかがポイントとなります。
神経系統の機能または精神の後遺障害は、自賠責の区分によれば、次の3つの区分があります。
①介護を要する神経系統の機能または精神の障害
②神経系統の機能または精神の障害
③局部の神経系統の障害
神経系統の後遺障害は、人体のあらゆる部分に関連するため、このような後遺障害が残る部位もいろいろとあります。本ホームページでは、脊髄損傷や、外傷性頚部症候群(むちうち)等は、個別のページがありますが、ここでは神経系統の障害全般について説明します。
神経系統が問題となる傷病名としては、外傷性てんかん、脳損傷、脊髄損傷、RSD、頭痛、平衡機能障害、頚椎捻挫、腰椎捻挫等があります。神経系統の後遺障害等級としては、その症状に応じて、1級、2級、3級、5級、7級、9級、12級、14級があります。
外傷により生じた脳の瘢痕から異常な電気信号が発せられる結果、周辺の正常な脳神経細胞が影響を受けます。発作を止めることが重要です。発作が繰り返されると、人格変化等の障害が発生します。
人間の体は怪我をすると、交感神経が興奮してアドレナリンを放出し、血管を収縮させ、出血を止める働きがあります。ところが、神経を損傷すると交感神経の興奮が止まらず、血流障害を起こします。そうすると、副交感神経が担当する老廃物の排泄等もうまくいかなくなり、ほんの少し触れた程度でも痛みが大きいなどの障害が発生します。
①関節の拘縮、②骨の萎縮、③皮膚の変化(つやつやと光る感じ) が見られる場合には、RSDと診断される可能性があります。なお、現在はRSDを含めてCRPS複合性局所疼痛症候群(Complex Regional Pain Syndrome)と呼ばれています。
醜状障害とは、外貌に線状痕、瘢痕等の傷がのこることをいいます。
従来は、同じ醜状痕でも男女で等級に差がありましたが、平成22年5月27日、京都地方裁判所で男女平等に反するとの違憲判決が出た結果、平成22年6月10日以降に発生した事故については、当然に男女差は認められなくなりました。これ以前に発生した事故については、自賠責上は男女の差が残ることとなりますが、これは裁判で争うしか方法はありません。
後遺障害等級は、7級、9級、12級、14級に該当する可能性があります。
7級 外貌に著しい醜状を残すもの
9級 外貌に相当な醜状を残すもの
12級 外貌に醜状を残すもの
14級 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの / 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
*外貌とは、頭部、顔面部、頸部のように、日常露出する部分を言います。
*7級の「著しい醜状」とは、①頭部の場合は手のひら大の瘢痕、②顔面の場合は、鶏卵大以上の瘢痕または10円銅貨大以上の組織陥没 ③頸部の場合は、手のひら大の瘢痕
*9級の「相当程度の醜状」とは、顔面部の長さ5センチ以上の線状痕で人目につく程度のものを言います。つまり、京都地裁の違憲判決が出る前と比較すると、女性の場合は7級相当から下がり、男性の場合は12級相当からあがったことになります。
*12級の「醜状」とは、頭部の場合は鶏卵大以上の瘢痕または頭蓋骨の鶏卵大以上の欠損をいいます。顔面部の場合は、10円銅貨大以上の瘢痕または頭蓋骨の鶏卵大以上の欠損をいいます。
*14級の露出面の醜状は手のひら大の瘢痕が残った場合を言います。(手のひらの3倍以上の大きさの場合は12級相当となります)
上肢・手指の障害については、①欠損、②機能障害、③変形障害、④神経の損傷があります。
①の欠損は、文字通り、ある部分がなくなってしまうことです。②の機能障害、③の変形障害は、骨折等により生じます。
骨折した場合、部位によっては手術をし、ボルト等で固定することもありますが、部位によっては保存的治療をすることがあります。保存的治療とは、安静な状態に保つことなので、
a 転位、変形治癒=本来くっつく位置ではない場所で骨がくっついた
b偽関節、仮関節=骨がきちんとくっつかず、折れたところが関節のように曲がる。
c 関節拘縮=関節が拘縮して、可動域が制限される
等の症状が起きます。これにより、体が変形したり、今までよりも関節が曲がらない等の症状が出てきます。これが後遺障害にあたりうる症状です。
1級 両上肢を肘関節以上で失ったもの
2級 両上肢を手関節以上で失ったもの
4級 1上肢を肘関節以上で失ったもの
5級 1上肢を手関節以上で失ったもの
3級 両手の手指の全部を失ったもの
6級 1手の5の手指または親指を含み4の手指を失ったもの
7級 1手の親指を含み3の手指を失ったものまたは親指以外の4の手指を失ったもの
8級 1手の親指を含み2の手指を失ったものまたは親指以外の3の手指を失ったもの
9級 1手の親指または親指以外の2の手指を失ったもの
11級 1手の人差し指、中指、または薬指を失ったもの
12級 1手の小指を失ったもの
13級 1手の親指の指骨の一部を失ったもの
14級 1手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
上肢の機能障害は、上肢の各関節の運動制限(可動域制限の程度)とその部位によって、後遺障害等級が定まります。
①ここでいう関節は、肩関節、肘(ひじ)関節、手関節(3つを上肢の3大関節と言います)を言います。
②「関節の用を廃した」とは、関節の可動域が原則として健側の可動域の10%以下に制限されている場合(完全強直)を言います(8級)。
つまり、障害のある方の関節が、障害のない側の関節の可動域と比較して1割以下になっている場合を言います。
③「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側と比較して2分の1以下に制限されている場合を言います(10級)
④「関節の機能に障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側と比較して4分の3以下に制限されている場合をいいます(12級)。
⑤8級に該当する関節の用を廃したものが、複数ある場合には等級があがって、一つの後遺障害が認定されます。
⑥動揺関節がある場合も、常時固定装具の装着を必要とする場合は8級、固定装具の装着の必要性が常時ではないときは10級、通常の労働の際には固定装具の必要がないが、場合によっては必要な場合は12級が認定されます。
下肢の機能障害の後遺障害等級は次のとおりになります。
*動揺関節とは、膝を例に挙げると、前十字靱帯や後十字靱帯を損傷した場合に発症します。つまり、関節は靱帯で固定されていますが、この靱帯に損傷があると今まで支えていた機能がなくなり、あるいは弱くなり、関節を締め付けておくことができなくなります。ですから、膝が安定せず、場合によっては固定装具(ソラスターブレイス)の装着が必要となります。
1級 両上肢の用を全廃したもの
5級 1上肢の用を全廃したもの
6級 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
8級 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
10級 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
12級 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
7級 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの =常時硬性補装具を必要とする場合
8級 1上肢に偽関節を残すもの =ときには硬性補装具を必要とする場合
12級 長管骨に変形を残すもの= 橈骨または尺骨(いずれも肘から手関節方向の骨)に偽関節を残す場合
4級 両手の手指の全部の用を廃したもの
7級 1手の5の手指または親指を含み4の手指の用を廃したもの
8級 1手の親指を含み3の手指の用を廃したものまたは親指以外の4の手指の用を廃したもの
9級 1手の親指を含み2の手指の用を廃したものまたは親指以外の3の手指の用を廃したもの
10級 1手の親指または親指以外の2の手指の用を廃したもの
12級 1手の人差し指、中指または薬指の用を廃したもの
13級 1手の小指の用を廃したもの
14級 1手の親指および人差し指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
12級 長管骨の変形(15度以上の彎曲)
長管骨に偽関節を残すもの
下肢・足指の障害については、①欠損、②機能障害、③変形障害、④神経の損傷があります。
①の欠損は、文字通り、ある部分がなくなってしまうことです。
②の機能障害、③の変形障害は、骨折等により生じます。
骨折した場合、部位によっては手術をし、ボルト等で固定することもありますが、部位によっては保存的治療をすることがあります。保存的治療とは、安静な状態に保つことなので、
a 転位、変形治癒=本来くっつく位置ではない場所で骨がくっついた
b偽関節、仮関節=骨がきちんとくっつかず、折れたところが関節のように曲がる。
c 関節拘縮=関節が拘縮して、可動域が制限される
等の症状が起きます。これにより、体が変形したり、今までよりも関節が曲がらない等の症状が出てきます。これが後遺障害にあたりうる症状です。
下肢の欠損障害はその程度によって後遺障害等級が変わります。
1級 両下肢を膝関節以上で失ったもの
2級 両下肢を足関節以上で失ったもの
4級 1下肢を膝関節以上で失ったもの
両足をリスフラン関節以上で失ったもの
5級 1下肢を足関節以上で失ったもの
7級 1足をリスフラン関節以上で失ったもの
5級5号 1下肢を足関節以上で失ったもの
5級 両足の足指の全部を失ったもの
8級 1足の足指の全部を失ったもの
9級 1足の第1の指を含み2以上の足指を失ったもの
10級 1足の第1の指または他の4の足指を失ったもの
12級 1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの、または第3の足指以下の3の足指を失ったもの
13級 1足の第3の足指以下の1または2の足指を失ったもの
下肢の機能障害は、下肢の各関節の運動制限(可動域制限の程度)とその部位によって、後遺障害等級が定まります。
①ここでいう関節は、股関節、膝関節、足関節(3つを下肢の3大関節と言います)を言います。
②「関節の用を廃した」とは、関節の可動域が原則として健側の可動域の10%以下に制限されている場合(完全強直)を言います。
つまり、障害のある方の関節が、障害のない側の関節の可動域と比較して1割以下になっている場合を言います。
③「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側と比較して2分の1以下に制限されている場合を言います(10級)
④「関節の機能に障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側と比較して4分の3以下に制限されている場合をいいます(12級)。
⑤8級に該当する関節の用を廃したものが、複数ある場合には等級があがって、一つの後遺障害が認定されます。
⑥動揺関節がある場合も、常時固定装具の装着を必要とする場合は8級、固定装具の装着の必要性が常時ではないときは10級、通常の労働の際には固定装具の必要がないが、場合によっては必要な場合は12級が認定されます。
下肢の機能障害の後遺障害等級は次のとおりになります。
*動揺関節とは、膝を例に挙げると、前十字靱帯や後十字靱帯を損傷した場合に発症します。つまり、関節は靱帯で固定されていますが、この靱帯に損傷があると今まで支えていた機能がなくなり、あるいは弱くなり、関節を締め付けておくことができなくなります。ですから、膝が安定せず、場合によっては固定装具(ソラスターブレイス)の装着が必要となります。
1級 両下肢の用を全廃したもの(股関節、膝関節、足関節の完全強直に加え、足指の障害がある場合)
5級 1下肢の用を全廃したもの
6級 1下肢の3大関節中の2つの関節の用を廃したもの
8級 1下肢の3大関節中の1つの関節の用を廃したもの
10級 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
12級 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
8級 1下肢を5㎝以上短縮したもの
10級 1下肢を3㎝以上短縮したもの
13級 1下肢を1㎝以上短縮したもの
7級 両足の足指の全部の用を廃したもの
9級 1足の足指の全部の用を廃したもの
11級 1足の第1の指を含み2以上の足指の用を廃したもの
13級 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの、または第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
14級 1足の第3の足指以下の1または2の足指の用を廃したもの
下肢の変形障害は、その部位、変形の程度により後遺障害等級が定まります。
*大腿骨とは、股関節から膝までの骨を言います。
*脛骨(けいこつ)とは、膝から下の足の内側の骨を言います。
*腓骨(ひこつ)とは、膝から下の足の外側の骨を言います。
7級 大腿骨に異常可動性を有する仮関節を残し、硬性補装具を常に必要とするもの
8級 脛骨および腓骨に偽関節を残すもので、立位や歩行に時々、硬性補装具を必要とするもの
*仮関節=偽関節とは、骨折した後に、骨が本来くっつくべきところできちんとくっつかないために、ぐらぐらする、新たに関節のようなものができた場合を言います。
8級 脛骨に仮関節を残し、立位や歩行に時々硬性補装具を必要とするもの
12級 腓骨に仮関節を残すもの
*大腿骨または脛骨の遠位端部の仮関節は12級
12級 大腿骨、脛骨が15度以上彎曲している場合
原則として矯正視力により、視力を検査し、その結果により、1級1号から13級1号までの後遺障害が認定されます(裸眼視力により認定される場合もあり)。 (例)1級1号 両眼が失明したもの
2級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
2級2号 両眼の視力が0.02以下になったもの
3級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
4級1号 両眼の視力が0.06以下になったもの
5級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
6級1号 両眼の視力が0.1以下になったもの
7級1号 1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
8級1号 1眼が失明し、または1眼の視力が0.02以下になったもの
9級1号 両眼の視力が0.6以下になったもの
9級2号 1眼の視力が0.06以下になったもの
10級1号1眼の視力が0.1以下になったもの
13級1号1眼の視力が0.6以下になったもの
水晶体の調節力(ピントを合わせる機能)が低下した場合です。なお、55歳以上の場合はもともと調節力が低下していることから等級認定の対象にはなりません。
眼球の周りを囲む3対の筋肉が一定の緊張関係を維持することにより眼球の運動がなされます。その一部が麻痺すると、緊張関係が壊れ、斜視や複視(物が2重、3重に見える)の症状が見られます。 (例)11級1号 両眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの
12級1号 1眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの
10級2号 正面視で複視の症状を残すもの
13級2号 正面視以外で複視の症状を残すもの
視野、つまり、目の前の1点を見つめているときに同時に見ることのできる範囲が狭くなった場合です。ゴールドマン視野計で正常視野の60%以下になった場合、視野狭窄と判断されます。(例) 9級3号 両眼に半盲症、視野狭窄または視野変状を残すもの
13級3号 1眼に半盲症、視野狭窄または視野変状を残すもの
まぶたを閉じたり、開けたり、瞬きができないなどの運動障害やまぶたを閉じたときに角膜を完全に覆うことができない(瞼の欠損)があるような場合です。睫毛(まつげ)はげとは、まつげが生えているまぶたの周縁の2分の1以上に「はげ」を残す場合です。 (例)9級4号 両眼の瞼に著しい欠損を残すもの
11級2号 両眼の瞼に著しい運動障害を残すもの
11級3号 1眼の瞼に著しい欠損を残すもの
12級2号 1眼の瞼に著しい運動障害を残すもの
13級4号 両眼の瞼の一部に欠損を残しまたは睫毛はげを残すもの
14級1号 1眼の瞼の一部に欠損を残しまたは睫毛はげを残すもの
外傷により、瞳孔が開いたままにより、光に対する反応が弱くなったり、消失したりした場合です。(例)11級~14級
耳の後遺障害は、聴力障害と、耳の欠損、耳鳴り等があります。また、三半規管や耳石は平衡機能を司っているため、平衡機能障害が生じることがあります。
認定される可能性のある後遺障害等級は、4級、6級、7級、9級、10級、11級、12級、14級があります。
鼻の後遺障害には、鼻の欠損、嗅覚脱失、嗅覚減退、鼻呼吸が困難になった等があります。
後遺障害等級は、9級、12級、14級があります。
口の後遺障害には、咀嚼の機能障害、言語の機能障害、歯牙の障害、嚥下障害、味覚の脱失、味覚の減退があります。
後遺障害等級としては、1級、3級、4級、6級、9級、10級、11級、12級、14級があります。
上肢の機能障害は、上肢の各関節の運動制限(可動域制限の程度)とその部位によって、後遺障害等級が定まります。
①ここでいう関節は、肩関節、肘(ひじ)関節、手関節(3つを上肢の3大関節と言います)を言います。
②「関節の用を廃した」とは、関節の可動域が原則として健側の可動域の10%以下に制限されている場合(完全強直)を言います(8級)。つまり、障害のある方の関節が、障害のない側の関節の可動域と比較して1割以下になっている場合を言います。
③「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側と比較して2分の1以下に制限されている場合を言います(10級)
④「関節の機能に障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側と比較して4分の3以下に制限されている場合をいいます(12級)。
⑤8級に該当する関節の用を廃したものが、複数ある場合には等級があがって、一つの後遺障害が認定されます。
⑥動揺関節がある場合も、常時固定装具の装着を必要とする場合は8級、固定装具の装着の必要性が常時ではないときは10級、通常の労働の際には固定装具の必要がないが、場合によっては必要な場合は12級が認定されます。
下肢の機能障害の後遺障害等級は次のとおりになります。
*動揺関節とは、膝を例に挙げると、前十字靱帯や後十字靱帯を損傷した場合に発症します。つまり、関節は靱帯で固定されていますが、この靱帯に損傷があると今まで支えていた機能がなくなり、あるいは弱くなり、関節を締め付けておくことができなくなります。ですから、膝が安定せず、場合によっては固定装具(ソラスターブレイス)の装着が必要となります。
1級 両上肢の用を全廃したもの
5級 1上肢の用を全廃したもの
6級 1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの
8級 1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
10級 1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
12級 1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
7級 1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの =常時硬性補装具を必要とする場合
8級 1上肢に偽関節を残すもの =ときには硬性補装具を必要とする場合
12級 長管骨に変形を残すもの= 橈骨または尺骨(いずれも肘から手関節方向の骨)に偽関節を残す場合
4級 両手の手指の全部の用を廃したもの
7級 1手の5の手指または親指を含み4の手指の用を廃したもの
8級 1手の親指を含み3の手指の用を廃したものまたは親指以外の4の手指の用を廃したもの
9級 1手の親指を含み2の手指の用を廃したものまたは親指以外の3の手指の用を廃したもの
10級 1手の親指または親指以外の2の手指の用を廃したもの
12級 1手の人差し指、中指または薬指の用を廃したもの
13級 1手の小指の用を廃したもの
14級 1手の親指および人差し指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの
1級 両上肢を肘関節以上で失ったもの
2級 両上肢を手関節以上で失ったもの
4級 1上肢を肘関節以上で失ったもの
5級 1上肢を手関節以上で失ったもの
3級 両手の手指の全部を失ったもの
6級 1手の5の手指または親指を含み4の手指を失ったもの
7級 1手の親指を含み3の手指を失ったものまたは親指以外の4の手指を失ったもの
8級 1手の親指を含み2の手指を失ったものまたは親指以外の3の手指を失ったもの
9級 1手の親指または親指以外の2の手指を失ったもの
11級 1手の人差し指、中指、または薬指を失ったもの
12級 1手の小指を失ったもの
13級 1手の親指の指骨の一部を失ったもの
14級 1手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの
上肢・手指の障害については、①欠損、②機能障害、③変形障害、④神経の損傷があります。
①の欠損は、文字通り、ある部分がなくなってしまうことです。②の機能障害、③の変形障害は、骨折等により生じます。
骨折した場合、部位によっては手術をし、ボルト等で固定することもありますが、部位によっては保存的治療をすることがあります。保存的治療とは、安静な状態に保つことなので、
a 転位、変形治癒=本来くっつく位置ではない場所で骨がくっついた
b偽関節、仮関節=骨がきちんとくっつかず、折れたところが関節のように曲がる。
c 関節拘縮=関節が拘縮して、可動域が制限される
等の症状が起きます。
これにより、体が変形したり、今までよりも関節が曲がらない等の症状が出てきます。これが後遺障害にあたりうる症状です。
下肢の機能障害は、下肢の各関節の運動制限(可動域制限の程度)とその部位によって、後遺障害等級が定まります。
①ここでいう関節は、股関節、膝関節、足関節(3つを下肢の3大関節と言います)を言います。
②「関節の用を廃した」とは、関節の可動域が原則として健側の可動域の10%以下に制限されている場合(完全強直)を言います。つまり、障害のある方の関節が、障害のない側の関節の可動域と比較して1割以下になっている場合を言います。
③「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側と比較して2分の1以下に制限されている場合を言います(10級)
④「関節の機能に障害を残すもの」とは、関節の可動域が健側と比較して4分の3以下に制限されている場合をいいます(12級)。
⑤8級に該当する関節の用を廃したものが、複数ある場合には等級があがって、一つの後遺障害が認定されます。
⑥動揺関節がある場合も、常時固定装具の装着を必要とする場合は8級、固定装具の装着の必要性が常時ではないときは10級、通常の労働の際には固定装具の必要がないが、場合によっては必要な場合は12級が認定されます。
下肢の機能障害の後遺障害等級は次のとおりになります。
*動揺関節とは、膝を例に挙げると、前十字靱帯や後十字靱帯を損傷した場合に発症します。つまり、関節は靱帯で固定されていますが、この靱帯に損傷があると今まで支えていた機能がなくなり、あるいは弱くなり、関節を締め付けておくことができなくなります。ですから、膝が安定せず、場合によっては固定装具(ソラスターブレイス)の装着が必要となります。
1級 両下肢の用を全廃したもの(股関節、膝関節、足関節の完全強直に加え、足指の障害がある場合)
5級 1下肢の用を全廃したもの
6級 1下肢の3大関節中の2つの関節の用を廃したもの
8級 1下肢の3大関節中の1つの関節の用を廃したもの
10級 1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの
12級 1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの
8級 1下肢を5㎝以上短縮したもの
10級 1下肢を3㎝以上短縮したもの
13級 1下肢を1㎝以上短縮したもの
7級 両足の足指の全部の用を廃したもの
9級 1足の足指の全部の用を廃したもの
11級 1足の第1の指を含み2以上の足指の用を廃したもの
13級 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの、または第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの
14級 1足の第3の足指以下の1または2の足指の用を廃したもの
下肢の欠損障害はその程度によって後遺障害等級が変わります。
1級 両下肢を膝関節以上で失ったもの
2級 両下肢を足関節以上で失ったもの
4級 1下肢を膝関節以上で失ったもの
両足をリスフラン関節以上で失ったもの
5級 1下肢を足関節以上で失ったもの
7級 1足をリスフラン関節以上で失ったもの
5級5号 1下肢を足関節以上で失ったもの
5級 両足の足指の全部を失ったもの
8級 1足の足指の全部を失ったもの
9級 1足の第1の指を含み2以上の足指を失ったもの
10級 1足の第1の指または他の4の足指を失ったもの
12級 1足の第2の足指を失ったもの、第2の足指を含み2の足指を失ったもの、または第3の足指以下の3の足指を失ったもの
13級 1足の第3の足指以下の1または2の足指を失ったもの
下肢・足指の障害については、①欠損、②機能障害、③変形障害、④神経の損傷があります。
①の欠損は、文字通り、ある部分がなくなってしまうことです。
②の機能障害、③の変形障害は、骨折等により生じます。
骨折した場合、部位によっては手術をし、ボルト等で固定することもありますが、部位によっては保存的治療をすることがあります。保存的治療とは、安静な状態に保つことなので、
a 転位、変形治癒=本来くっつく位置ではない場所で骨がくっついた
b 偽関節、仮関節=骨がきちんとくっつかず、折れたところが関節のように曲がる。
c 関節拘縮=関節が拘縮して、可動域が制限される
等の症状が起きます。これにより、体が変形したり、今までよりも関節が曲がらない等の症状が出てきます。これが後遺障害にあたりうる症状です。
脊柱とはいわゆる背骨のことです。交通事故により、脊柱に①圧迫骨折がある場合(25%以上の圧壊があるとき)、②破裂骨折がある場合、③脊椎の固定術がなされた場合 この3つのいずれかに該当することが第一の条件。
そして、a 運動障害(通常と比較して可動域に制限があること)がある場合、b変形がある場合、c荷重障害(常時硬性コルセットの装着が必要)のいずれかが認められると、後遺障害が認定されます。その症状に応じて、6級、8級、11級が認定されます。
鎖骨、胸骨、肋骨、肩胛骨、骨盤骨の変形があります。これらの場合は、12級の後遺障害に該当する可能性があります。ただし、骨盤骨の変形については、産婦人科で産道が確保されているかどうかを検査する必要があります。通常の場合と比較して、産道の狭窄等が認められると、自然分娩ができない可能性があり、帝王切開しないといけない場合があります。その場合は、それ自体が別個の後遺障害等級に該当する可能性があります。