(1) 家庭裁判所への申立
夫婦のどちらか一方が、家庭裁判所に離婚調停の申し立て書を提出します。
なお、現在では、調停申立書のコピーを相手方当事者に送付することが義務づけられました(裁判所が送付します)ので、申立書に具体的に書きすぎると、相手が感情を害して、調停が円滑に進みにくくなることも予想されます。
自分の細かい言い分を裁判所に提出することは重要ですが、細かい部分は申立書とは別の紙に記載して提出した方が良いと考えられます。
(2) 呼び出し状の送付
調停の申立書が受理された後、1~2週間で、当事者双方に、何月何日何時に裁判所に来てくださいという呼び出し状が送付されます。
どうしても、その日の都合が合わないときは、日程の変更を裁判所にお願いすることも可能ですが、関係する当事者がたくさんいますので、日程変更をお願いすると、第1回目の調停がかなり延びてしまうこともあります。
通常は1ヶ月程度後の日に調停の期日が指定されます。
(3) 第1回目調停
調停の期日には、原則として本人が出席する必要があります。弁護士に依頼している場合、通常の裁判では、弁護士だけが出席すればよいのですが、身分に関する調停の場合は本人が出席することが原則となります。
第1回目と最終回は、弁護士に依頼していても必ず出席の必要があります。なお、弊事務所で依頼を受ける場合は、基本的に離婚調停はすべてご本人にも出席していただいております。ご本人でないと説明できない事情等もあり、ご本人がいないことで結果的に期間が延びてしまうことになりかねません。
調停の時間は、1回あたり2時間程度が目安です。
当事者双方は、別々に話を聞かれることになりますので、半分は待ち時間となります。
相手方とは原則として顔を合わせることはありません。
(4) その後の調停
2回目以降の調停も1回目の調停の後、1月周期で予定が入ります。
大枠で合意ができそうな状態になり、細かい条件面を詰めることになれば、3回目、4回目の調停を行うことになります。
まったく、話し合いで解決できる気配がない状況であれば、2回目、3回目で調停の手続を終了させることもあります。
一般的に何回くらい調停手続をすれば終了するかは、とても気になるところですが、ケースバイケースとしかいいようがありません。
(5) 調停が不成立に終わった場合
調停が不成立になった場合は、次に裁判をすることになります。
ただし、その夫婦の状況によって、すぐに裁判を起こした方がよいか、ある程度の期間をおいてから裁判すべきかは異なります。
(6) 調停が成立した場合
調停が成立した場合は、裁判所が「調停調書」を作成します。
調停調書に記載された内容は、判決と同じ効力をもちます。
離婚の成立は、調停が成立した時点で効力が発生していますが、市町村役場には、調停成立の日から10日以内に届出をする必要があります。